相続前の対策
一般的に相続対策といえば「相続税対策」のことを意味します。
つまり「節税対策」です。
梅澤税理士事務所では、次の3つの順番で「相続対策」を行います。
相続開始前で「争族対策」が必要な方
相続で一番揉めるのは遺産の分配に関するものですので、安易に節税対策に走らず、遺産分割対策をしっかりすることが重要になります。
相続税申告が不必要な方にも、遺産分割問題は付きまといます。例えば次のようなケースがあげられます。
なくなった人の財産が把握できていない
対策
財産の一覧表を作成しておいたり、限定承認という手続きをとられると良いでしょう。
限定承認とは、亡くなられた方の借金が、財産よりも多い場合、もっている財産の限度でしか借金を相続しないという制度です。
こういった場合も事前の対策が必要になります。
財産の分配が不平等
対策
相続財産の調査が完了し、相続人が確定した後は、相続財産をどのように分配するのかを考えます。
この分配に関してもめることも多いので、争いが起こる前に早めに遺言書を作成するなどきっちり対策をしましょう。
第三者に財産を上げたい
対策
遺言書に記載があれば法定相続人ではない他人に全財産を残すことも可能です。
ただし民法では、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子等)には最低限の取り分を保証していますので注意が必要です。
生命保険を使った節税対策
生命保険を活用した相続対策は節税効果がある非常に有効な方法です。
相続税の計算では、法定相続人の数に500万円を乗じた金額の保険金は、相続税がかからないことになっています。これを、生命保険の非課税限度額といい、例えば配偶者と子供一人の計二人が相続人である場合、1,000万円までは相続税がかからないことになります。このため相続税の納税がある方は、生命保険の非課税限度額を利用して、相続人を受取人とした生命保険に加入したほうがいいでしょう。
また生命保険は、相続税の節税対策のみならず、遺産争いを防ぐ効果もあります。
大前提として、生命保険金は遺産分割の対象外の財産であり、受取人固有の財産になります。
しかし相続税の計算上は、相続財産であるとみなして、申告額に含めます。
このため、たとえば1億円の財産があって、別に生命保険金5,000万円があった場合、相続人間で遺産分割協議を行うのは、生命保険金以外の1億円のみとなります。
なので、財産を渡したい相続人と渡したくない相続人がいた場合には、生前に生命保険に加入し、受取人を渡したい相続人に指定しておくことで、後の遺産分割や遺留分の問題を避けることが可能になります。